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24June, 1998
ワインブームと異常気象?

月刊ワイナリー便りもvol.24となり早くも3年目に突入しようとしています。今月から構成を変更して心機一転、より親しみやすい内容にしました。機山ワインをより身近に感じて頂けるようこれからも毎月更新してきますので、よろしくお願い致します。

ワインブームも落ち着いてきた??

巷のワインブームはまだまだ続いているようですが、一時のように怒涛のごとくマスコミにワインが登場するということはなくなってきているようです。機山ワインでもようやく落ち着いてぶどう園の仕事に専念できるようになりました。さて平成9年のワインの出荷量は約22万キロリッター(ワインが含まれる酒税法上で果実酒に分類される酒類の課税数量)。前年から34%増加しています。ワインに関係する人たちが”異常”と表現するこの一年での急激な伸びが数字に現れています。とはいっても数量の上では清酒の2割にもなりません。今回のブームは赤ワインに大きく偏ったもので、しかも”健康に良い”という安直なキャッチフレーズによるものでした。確かに大きな変化でしたが、もっと自然にワインが受け入れられて、日本の生活にワインが定着していくのはまだまだこれからだと思います。

まだまだ異常気象のニオイが…

“暑い春”のお陰でぶどうはぐんぐん伸びています。4月の甲府の平均気温は平年より3.3度も高く16.6度で過去最高。降水量は平年の約2倍。5月も高めの気温が続きました。日照時間も短めでした。発芽も生育も驚くほど早いため軟弱になり、病気の発生が心配されます。梅雨に入り、雨の後にじめじめした天気になると、カビによる病気が広がり、健全なぶどうに育たなくなってしまいます。よくぶどう園を見回り、適切に消毒を行う必要があります。エルニーニョは消滅の方向で、今年の夏は平年並み、という予報も出ていますが、無事収穫するまでは気を抜くわけには行きません。
ぶどうの花が咲き始めました

さて、シャルドネが早々に開花しました。昨年より約2週間早く、一昨年よりはなんと1ヶ月も早いものでした。ぶどうの花は花びらもなく雄しべと雌しべだけの質素なものです。遠くからでは白い物がちらちらしている程度にしかわかりません。
98年5月16日撮影

花が終わると結実し、次第に実が大きくなっていきます。
98年5月31日撮影

次々に早い品種から遅い品種へと開花していきます。この時期はぶどう園の横を通るだけで花の甘い香りを感じることが出来ます。
98年5月31日撮影

4月にはこんな具合だったのが..
98年4月30日撮影

たった1ヶ月でここまで葉を広げてきます。
98年5月31日撮影
梅雨を乗り切ると収穫が迫ってくる!?
6月3日に梅雨入りして、気温も低め、当然日照も少なくなってきました。人間にとっても梅雨にとってもうっとうしい季節になりました。しかし、ここを乗り切れば、夏空が広がって、収穫はもうすぐ!!….ということろまでは、相当気が早いと思われるかもしれませんが、少しずつ今年の仕込をイメージしていかなければならない季節になりました。