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28October, 1998
早くも収穫は終わり

赤ワインの仕込が終わり、甲州の収穫も??

雨ばかり降っていた9月もあっという間に終わってしまいました。そして、例年では10月中旬に収穫する甲州もなんともう終わってしまいました!! 雨が多く天気が不安定だったことと、雨による影響でぶどうの状態が思わしくないものがあったからです。もちろん生育が早かったことが最大の要因です。というわけで、約1ヶ月の内にすべてのぶどうの収穫が終了してしまいました。ベリーアリカントAとシャルドネ、セミヨンから始まって、マスカットベリーA、ブラッククイーン、メルロー、ときて甲州、カベルネソービニオンと、怒涛の如く押し寄せてきました。その間には、台風が接近したり(直接の被害はありませんでした)、前線の影響で雨が降り続いたりと、収穫のタイミングを決めて段取りをするのが本当に大変でした。さて、ぶどうの状態ですが、やはり日照が少なかったことと雨が多かったことが影響しています。糖度はそこそこですが、果実の充実という面ではもう一つだと思います。このあたりがワインにどう影響してくるかは、注意する必要がありそうです。

こんなところで仕込をしています。手前が破砕機(周りのフタを開けてあります)、奥が圧搾機です。後ろのタンクでは赤ワインの発酵が…

酵母について

“ぶどうを搾っておくとぶどうに付いている酵母の働きで発酵が始まる…” 確かにその通りです。自然界に単離されずに存在する酵母(野性酵母と呼びます)によるものです。しかし、その酵母の性質が本当にワイン造りに適しているかは、誰も確かめていないものなのです。また気候条件によっても影響を受けるでしょう。どのような発酵が起きるかはまさに”神のみぞ知る”ことになってしまいます。一般的にはあらかじめワイン造りに適した性質を持ち、適さない性質を持たない酵母が選抜され培養されたものが、乾燥酵母として販売されています。様々な特徴を持った酵母が用意されていますので、目的とするワインによって使い分けることもできます。このような酵母のおかげで、ワインに悪影響を及ぼす微生物の働きを抑えて、健全な発酵を起こすことができるのです。