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39September, 1999
残暑のなか晩腐病の発生

9月はいよいよ収穫の時期です

まったく月日の経つのは早いものです。8月もいつものようにあっという間に終わり、いよいよ9月になりました。8月は週末ごとに天気が不安定になり、夏休みの計画も思うようにいかなかった方も多いのではないでしょうか。山梨でも旧盆中の熱帯低気圧の影響で大変強い雨が降りました。ぶどうに直接の被害はなかったものの、このまま台風シーズンに突入するかと思わせる位凄まじい雨でした。その後天気は安定し、厳しい残暑となっています。甲府では8/30にこの夏の最高気温を記録したようです。8月は豪雨のために降水量は平年より少し多めながら、日照時間は平年より長く、悪夢の昨年よりははるかによい条件になっています。しかし、ぶどうに晩腐病(文字どおり収穫前にぶどうが茶色く腐ってしまう)が多く発生しており、また気温が高いためにぶどうの色付きがいまひとつという状況です。晩腐病におかされたぶどうはこまめに取り除いていくしかありません。また、色付きもこれから収穫を迎える品種では、昼夜の気温差が大きくなる今後に期待しているところです。
今年は、天気はまずまずながら、ぶどうの病気の発生が多い、といったところです。あとは収穫前数日の天候が勝負です。良い天気を無駄にしないで、良いビンテージにしなくてはと、逆にプレッシャーを感じてしまいます。

ぶどうも収穫を待つばかりです

ワイン造りにとってぶどうの収穫は極めて重要なものです。いわば出発材料がどのような成分を持ったものになるかが、ここで決まるわけです。より理想的な形で収穫できるように、仕事の段取りを決めていくのですが、天気が崩れたり、あるいはタンクの都合で若干前後させなくてはならなかったりと、考えなければならない要素が山ほどあります。すこしでも余計な気を使わなくて済むように準備をするのですが、この準備段階が最も緊張するのです。一旦始まってしまえば、後はやるしかない、という状況になりますが、天気予報を気にしつつ、あれやこれやと気を揉むばかり。こうして約1ヶ月半の死闘が始まるのです。

棚栽培のシャルドネ
パラフィン紙でカサをかけてあります(99/9/1撮影)