Topics

46April, 2000
ワシントン州のワイナリー

いよいよ春!! と思ったら?

今年の冬は暖冬かと思いましたが結局2月の寒さは平年並み、3月も強い季節風が吹き付ける日が多く気温も平年程度になったようです。昨年一昨年と春が早く、昨年甲府では3/26頃に桜が開花したのですが、今年はほぼ平年並みだったようです。しかし近年の暖冬になれてしまった体には少々寒く感じます。今年の冬は降水量が異常に少なく甲府盆地平野部では一度も積雪が無かったそうです。塩山でも2度程積もりましたがすぐに溶けてしまう程度のものでした。休眠期にはいっているぶどうにとっては水分を蒸発させる葉がありませんので、少々の乾燥はあまり影響はありません。しかし、これから今月下旬の芽吹きには水分が必要ですので、乾燥傾向もこのくらいにしてほしいものです。

新しいワインの発売です

昨年から発売致しましたキザンセレクションカベルネソービニオン/メルローの新しいビンテージを発売致します。

キザンセレクションカベルネソービニオン/メルロー1998 (720ml 1800)

自家農園産カベルネソービニオン(45%)、メルロー(45%)とブラッククイーン(10%)のブレンド。ガーネット色。ブラックペッパーを思わせるスパイシーな香りが、青草やミントのようなアロマと共に立ちのぼってきます。その奥にはラズベリー系の甘い香りも感じとれます。辛口のミディアムボディー。ホットでスパイシーな味わいとスモーキーで香ばしいオークフレーバーがバランス良く、長い余韻が続きます。すでに飲み頃ですが、今後の熟成によりより柔らかさが増すことが期待されます。

アメリカ西海岸のワイナリー<ワシントン州>

ワシントン州 先月お伝えしましたように2月にアメリカ西海岸のワイナリーを短い期間ですが巡ってきました。今月はワシントン州で訪れたワイナリーについてお伝えします。旅行メモのようなものですが、お付き合い下さい。

ワシントン州は全米第2位のプレミアムワイン産地。ワイナリー数115(1999年)。 ぶどう (Vitis vinifera) の栽培面積は6250ha。 夏期の日照時間は一日17.4時間と長く、日中の気温は高いが夜温は低い。降水量は200mm (東部のぶどう栽培地域)で非常に少ないのでぶどう栽培には灌漑が必須。地下水汲み上げに州の許可必要だが新規はほどんど不可とのこと。

シアトル空港に2/20朝到着。空港から出るのにも安全チェックが厳しく建物の外に出るまで少し時間がかかりました。バスに乗り込み、初日は予約したワイナリーはなかったので、近くのワイナリーに寄ってみることにしました。

• Chateau Ste Michelle
www.ste-michelle.com
シアトル北東24km Wiidinville 中心から30分程度。広々として手入れされた芝生が広がる美しいワイナリー。他地域4カ所に製造所がありここはむしろ見せるワイナリーになっている。テーステングした3種のワインはどれもバランスが良い。赤ワインは今風でフルーティーでやや軽という印象だった。売店は広く特に雑貨が充実している。シアトル市内からも近いのでツアー客も多いのだろうと思っていたら、日本語のパンフレットを渡されて、なんだか納得。ワイナリー内の見学ツアーは別料金で会ったが時間がなく参加しなかった。


• Columbia Winery
www.columbiawinery.com
Ste Michelleの向かいにある。やはり売店が充実している。Ste Michelleと同じく売店でワインが占める面積よりT-シャツやハーブ、カードやオイルなどの雑貨がおいてある面積の方がよっぽど広い(こっちの方がよく売れるんだろう…)。Tasting Roomのスタッフはあまりやる気がなく、面倒くさそうだった。Tasting Roomの裏には巨大なタル庫があり、こちらはなかなか圧巻。しかしとなりの部屋のタンク周辺は新しいRed ciderのcat walk(タンクを渡り歩く空中通路)が何ともいえず臭かった。 
Seattle市内に戻りシーフードで昼食。日本のものより小ぶりのカキはなかなか美味しかったです。
昼食後バスに戻り、Yakima Valleyへ。雪もちらほら残る峠を越え車で約3時間。夕方Yakima Valleyのすこし先の宿、Best Western Prosser Innに到着。夕食は徒歩数分の地元レストランパブでビールとミートローフ(味のない褐色ソースとともに)など。

翌2/21は朝8時過ぎにホテルを出発。早速ワイナリーへ向かいました。
• Kiona Vineyards
Yakima valleyの西に位置する小規模ワイナリー。といっても機山ワインのざっと20倍ほどの生産量がある。ワイナリーの周囲には広大なぶどう園が見渡す限り広がっていました。なだらかな丘もあり、様々な微小気候が存在するのが特徴とのこと。品種も多くChardonnay、Semillon、Chenin Blanc、Resling、Gewurztraminer、Merlot、Cavernt Sauvignon、Lemberger、Shirazなどなんでもありでした。オーナーのJohn Williamsはこの地域にオーストリア系の赤品種Lembergerを導入したパイオニア。ワインは落ち着いて凝縮感があり、品格が感じられました。ワシントン州でShirazが造られているとは意外。製造設備はコンパクトにまとまっていて、とても800トンも処理しているとは思えないものでしたが、周囲が広すぎて建物が小さくみえたのでしょうか。


• Hogue-cellars
www.hogue-cellare.com
Kiona Vineyardsから車で10分程のHogue-cellarsはKionaの5倍以上の規模の巨大ワイナリー。1974年に設立されたワイナリーで、大型タンクた立ち並ぶ横にあるオフィス(生産現場の事務所)と分析室は “red wine” と “white wine” と二部屋ずつありました。といういうことは樽熟成庫も “red wine” と “white wine” とに別れ、室温と湿度の設定を少し変えてありました。案内をしてくれたGeneral Managerは非常に優秀であることが語り口から伝わってくるような方でした。売店の雰囲気もラベルも洗練されており、ワインのイメージとよく会っている印象でした。

今日はこれでおしまい。明日のオレゴンでの予定に備えPortlandへ移動。車で約3時間の道のりでした。