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48June, 2000
ナパバレーのワイナリー

フロントページを新しくしました

毎月更新の機山ワインのホームページも更新されるのはワイナリー便りだけ、という状態が長い間続いてしまいました。久しぶりにフロントページを新しくしてみました。皆さんの通信速度もだいぶ速くなっていることと思い、少し画像も増やしてみました。デザインに使っているものはすべてワイナリーにあるものをデジカメで撮って使いました。「前の方が良かった!!」と言う方もいらっしゃるでしょう。是非ご意見をお聞かせ下さい。

ぶどうの花が咲き始めました

5月に入り大型連休中は好天に恵まれ、予定通り行楽を楽しんだ方も多かったのではないでしょうか。5月上旬は殆ど雨が無く、非常に乾燥していました。芽吹きが遅いカベルネソービニオンなどはこの影響が若干あったようです。中旬には寒気の影響で天候が不安定になり、肌寒い程気温が下がった日もありました。下旬は夏のような日差しで最高気温が30度を超える真夏日も続き、ぶどうの新梢もぐんぐん伸びています。平年並みだった生育状況も早まったようです。この高温と適度な雨のお陰で、シャルドネは5/26頃から開花が始まりました。甲州やメルロー、ブラッククイーンなども順次開花が始まっています。
ぶどうの花には花びらもなく、いたって質素なものですが、何ともいえない上品な香りをはっきりと感じることが出来ます。受粉が容易なぶどうには花びらを進化させる必要がなかったのでしょうが、それなら甘い香りも不要なのではという疑問も生じます。しかし花の香りは作業に追われるぶどう栽培者をひととき心穏やかにしてくれます。秋にはせっかく実らせたものを奪い取ってしまう人間に、ささやかながら楽しみを与えてくれるのは自然の寛容さの表れなのでしょうか。

シャルドネです。桜の開花宣言とは違い、半数の花が咲いた時点で “開花” と判断しますので正に開花したところです。
シャルドネ 2000/5/30撮影

アメリカ西海岸のワイナリー <ナパバレーその1>

ワシントン州、オレゴン州と南下してきたワイナリーツアーもいよいよカリフォルニア州に入ります。
ポートランド発の飛行機は、サンフランシスコの悪天の為大幅に遅れ、急遽一便前に変更し、出発ぎりぎりでどうにか搭乗することができました。サンフランシスコ空港上空で長い間旋回し、嵐の中無事着陸。ダウンタウンの中のホテル ” Comfort Inn Airport West ” に到着。ホテルのレストランで食事の食事を終えたときには10時近くになっていました。
翌2/23、7時にホテルを出発し、ナパバレーに向かいました。

• Sequoia Grove
www.sequoiagrove.com
St. Helena Highway (Route #29) でYountvilleを過ぎ Rutherford と Oakville の間にあるワイナリーです。設立当時の建物がshopになっており大きな発酵用の樽が並んでいて当時の雰囲気を醸し出しています。ワイナリー建物は地下が樽貯蔵庫になっていてますが、1階部分にも樽が積み上げられています。樽の使い方がワインのスタイルに少なからず影響するようになってきていますが、Sequoiaのwinemakerはぶどうの良い性格 (fruit character) を強調する方向を目指して樽を選別し、オークの “木目” をひとつの指標にするという意見は面白い考え方だと感じました。fruit characterを強調するといっても一昔前のカリフォルニアワインとは違い、非常に洗練されて調和のとれたワインになっていることは言うまでもありません。特にSequoiaのカベルネソービニオンは骨格のしっかりした、厚みのあるものでしたが、上品さを兼ね備えたワインで好感がもてました。


• Sawyer Cellars
Sequoiaのすぐ隣のワイナリー。機山ワインの倍程の規模ですが、建物や設備が新しくまぶしいほどでした。玄関の左手がオフィスとテースティングルーム、右手がタンクがならぶスペース、そして地下が樽貯蔵庫でした。使いやすそうにレイアウトが考えられており、規模はこれ以上大きくはしないよ、少量でも良いワインをつくるよ、と言う姿勢が感じ取られます。ワインは穏やかで上質で価格的にも満足度の高いものでした。


• Nieabum-Coppora
www.niebaum-coppora.com
かの有名なCoppora所有のワイナリー。巨大なお城のような建物が目を引きます。残念ながらワイナリー内部の見学は出来ませんでしたが、大きなテースティングルームとなんでも売っている売店(というよりデパートのとあるフロアのようです)は圧巻でした。ワインの質も有名人のワイナリー、という範疇でとらえるべきものではなく、人気が高まっているようです。さすがにお客さんも多く賑わいをみせていました。
来月はツアー最終日<ナパバレーその2>をお伝えします。