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23May, 1998
ぶどうの芽吹き

今月のぶどう園

記録的な高温と平年の2倍近い降水量のおかげで、昨年よりも早い芽吹きとなりました。今年の収穫はもちろん、これからの樹型管理などを決める重要な瞬間です。

芽吹いた後はぐんぐん新梢を伸ばし葉を広げていきます。まさに目が離せないシーズンに突入しました。小さく堅かった芽から、手品のようにしゅるしゅると新梢が伸びていく様子には、まさに自然の神秘を感じることができます。

昨年伸びた枝から芽が出そろい順調に伸びています。この辺で多すぎる芽を取り除いたり、伸びた新梢をワイヤーに固定する作業があります。

花芽もはっきりとわかるようになり、開花もまもなくです。

今月のワイナリー

ビン充填作業もほぼ終わり、工場の中も片付けられました。これから当分の間、仕事の中心はぶどう園へと移っていきます。工場の中で整備や、修理が必要なところはこの間に処置していきます。ワイナリーの機械器具はどれも稼働率が低い物ばかりで、シーズンには”これでもか”と酷使されるものが、1年の内ほとんどがシーズンオフという状態です。ですからオフになる前の整備や使い始める前の点検はとても重要になります。ワイン屋も時には機械屋さんになったり、配管工になったりするわけです。

今月の読書会

ワインに限りませんが、酒と微生物とのかかわり合いをわかりやすく解説した本です。
• 酒と酵母のはなし

大内弘造著 技術堂出版 ISBN4-7655-4411-7 1900

ここ数年で酵母に関する基礎研究は急速に発展してきた。長年その研究の最前線に携わり、しかも日本酒やワインをはじめとする酒類にも精通している著者が、醸造と酵母の関係をわかりやすく解説している。特別な知識がなくても酵母研究の最新の情報も理解できるようになっていて、とても読みやすい一冊。

今月のひとりごと

4月なのに梅雨時のように蒸し暑い日もあったりしてどうなっているんでしょう!! ぶどうの生育は昨年より1週間ほど早いという声も…。それもそのはず、甲府の4月の平均気温は平年より3.3度も高く降水量は2倍弱とか。たしか去年も例年よりもだいぶぶどうの生育が早かったような記憶があります。もう”例年”がどうだったか誰にもわかりません!!。これ以上変な気候にならないように祈るのみです。