Topics

33March, 1999
ワインのろ過とビン詰

ワインのろ過やビン詰めも大切な仕事です

皆さんは”ワイン造り”という言葉からどのような作業を想像するでしょうか。さすがに”ぶどうを桶にあけて乙女が素足で踏んで潰しているところ”を思い浮かべる方はいないでしょう。多くの方はタンクの中で果汁が発酵しているところや、樽やビンが整然と並んでいるセラーなどを思い浮かべることでしょう。ワインをろ過したり、ビンに充填したりする作業は一見ワインそのものの品質にはあまり関係ないように思われるかもしれません。しかし、ワインの品質を決定づける最後の重要なステップなのです。どんなに注意深く造られたワインでもろ過や充填の段階で例えばワインに不要な香りがついてしまったり、逆に大切な香味が失われてしまっては、いままでのワイン造りの苦労が台無しになってしまいます。ところが、ろ過は”やってみなければわからない”という性質が強く(もちろんどんな作業も多かれ少なかれ結果を予測するのは難しいのですが…)いままでの積み重ねを頼りにするしかありません。ノウハウを確立するためには、いつも注意深く観察し、試行錯誤をくり返すことになります。とはいっても大きな失敗は絶対に許されませんし、昨年のぶどう栽培や発酵管理など様々な作業を思い浮かべると、慎重にならざるを得ません。

ぶどう園も春めいてきました

3月に入って暖かい日が続くようになりました。時には4月並みの気温にもなっているようです。こうなってくると、ぶどうの芽も何となく膨らんで見えます。もちろん実際の芽吹きはまだまだ先です。皆さんもこの時期に桜の木を見上げるとなんとなくつぼみが膨らんで、木が盛り上がっているように感じませんか? ぶどうでも同じ様なことを感じるこの頃です。