Topics

30December, 1998
1998年を振り返る

あっという間に一年が終わってしまいます

本当に一年は早いものです。今年もいろいろなことがありました。1月の大雪は、今から考えれば、異常気象の前触れに過ぎなかったのかもしれません。高温と多雨、この言葉につきるぶどうシーズンでしたが、どうにかぶどうを収穫し、ワインを仕込むことが出来ました。
天候などの自然条件の激しい変化もさることながら、ワインをとりまく社会的な状況も大きく変わりました。ワインブームの勢いもなかなか衰えず、さながらワインバブルの様相を呈しています。ワインという言葉が異様に輝いて見える、世の中不況といわれているだけに余計目立つ存在になっているようです。ビジネスとして捉えれば、ワインショップ、ワインスクール、雑誌の特集やハウツー本、ワイングッズやセミナー。ありとあらゆるワインに関わるものがまさにビジネスチャンスとしてもてはやされているのです。しかし、どんなにワインが売れても、一年に一度実をつけるぶどうを育て、収穫し、果汁を集めて発酵させることによってしか、ワインは出来ないのです。世界中で新たなぶどう園が開墾され、新しいぶどうの苗が植えられています。その苗が成木となって一人前の収穫ができるようになったとき、ワインの世界はどうなっているのでしょうか。それは誰にも予測はできません。新しいぶどう園の所有者は供給過剰にだけは陥らないように祈っているでしょう。人間の営みの変化のスピードが、自然のゆったりとした変化をはるかに越えているように感じます。
来年はもうすこしじっくりとワインを造りたいと思うのは贅沢な悩みでしょうか。

ゲストハウスにぶどうの蔓のリースを飾付けました。