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45March, 2000
アメリカ西海岸を訪れました

春が待ち遠しい…

暖冬気味と言われた今年の冬ですが、2月は寒波が押し寄せ、強い季節風が吹き付け、朝晩も冷え込んだ日が多かったようです。甲府盆地は雪も雨もほとんどなく、非常に乾燥しました。乾燥警報が発令される日もあり、連日火事に対する警戒が呼びかけられています。この時期は果樹園で剪定クズを焼却することが多く、特に注意が必要です。河原の枯れ草がくすぶる程度のぼやから大きな山火事まで頻繁に消防車のサイレンを耳にします。この乾燥をぶどうの収穫期に持っていけないかと思ってしまいます。夏は高温多湿、冬は冷涼乾燥と世界の他のぶどう栽培地域には無い天候パターンを持つ日本でのぶどう栽培には、それに見合った栽培技術が必要だということを改めて思い知らされます。

アメリカ西海岸のワイナリーを訪ねてきました

2月は剪定などのぶどう園の仕事やワインのろ過やビン充填など、春が来るまでに片づけなければならない仕事があるのですが、その間のわずかな隙間を利用して、アメリカ西海岸のワイナリーを訪ねてきました。国内でワインに携わっている方々10名ほどのグループで、ワシントン州からカリフォルニア州まで14のワイナリーとワイン用のオーク樽工場を7日間で巡るハードな旅行でしたが、日本では感じることのできないワイン業界の実状に触れることができました。
世界的な赤ワインブームも去り、ワイン市場は所謂がぶ飲み用の安ワインから中価格帯以上の品質の良いワインへとシフトしていると言われています。そのため、より質の良いぶどうと整った設備を持つワイナリーが求められています。ワイン造りに携わるワインメーカー(ワイン製造会社という意味ではなく、日本酒の杜氏のようなワイン製造責任者の意味で使われます)として優秀な人材が世界中を流動し、ぶどうの地域特性もさることながら、資本力やワインメーカーの技量、マーケティングの技術などが、世界的な名声を得られるかどうかを左右しています。このような状況で、山梨の零細ワイナリーが生き残っていけるのか全く不透明ですが、とりあえずは情報収集と純粋に旅行を楽しむという2点をテーマにしました。アメリカの広大なぶどう園で感じたことを来月以降少しずつお伝えします。