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55January, 2001
ワインと正月

明けましておめでとうございます

新年明けましておめでとうございます。本年も機山ワインをよろしくお願い申し上げます。記念すべき21世紀の幕開けを皆さんはどのように迎えられたでしょうか。昨年の2000年同様、2001という数字は新鮮に映ります。平凡な日常を過ごしていても、何か新しいことが始まるような気にさせてくれます。実際には変化の早い時代、目新しいことが日々目の前に現れてきますので、365日の区切りは少し長いかもしれません。しかし自然のサイクルは人間社会とは無関係に淡々と巡ります。本来人間も自然の一部に組み込まれているはずですが、日常生活では実感しにくいでしょう。科学技術により利便性を追求した結果、人間と自然との係わりが希薄になっています。便利で快適な生活を否定するつもりはありませんが、一方で自然の営みと人間生活がどう結びついているのかに、思いをはせることが大切なことになっていると思います。
ワイン造りは年に一度の収穫時期を中心に、自然のリズムと共に進められます。季節の変化を感じ取り、ぶどう園やワイナリーでの仕事の計画をたてなくてはなりません。新年を区切りに、また春から夏にむけての仕事が始まるような感覚にとらわれます。春までにはぶどう園での剪定と平行して、昨年のワインのろ過やビン詰め、タル貯蔵のワインの管理などを進めて行かなくてはなりません。どれもワイン造りの工程の中では地味ですが非常に重要な作業ばかりです。そしてぶどうが芽吹いた後はまた天候との格闘が始まる。少し気が早いかもしれませんが、つかの間の正月休みの間にも季節に追い立てられる姿を思い浮かべてしまうのです。

ワインと正月

正月になると突然巷には琴の音が流れたり、神社へ大勢の人々が出かけたりと、なぜか日本的なものに心引かれるようになります。琴も神社もほとんどの方は年に一度でしょう。お酒も正月はビールやワインよりも日本酒の方がしっくり合います。
しかし、機山ワインでは年末には母屋の神棚に供えられる小さなお膳にはその年の新酒がワイングラスに注がれて添えられますし、ワインセラーやワイナリーの中の蒸留機や充填ラインにも小さなお供え餅が飾られます。「日本独自のワイン文化」などと大それたモノではありません。極自然に毎年の安泰に感謝する気持ちから続けられたものでしょう。普段より少し味付けの濃いお節料理には、バランスの良い甲州種の白ワインは良く合うものです。いつもはワインだけどという方も、いつもはワインじゃないけどという方も、ゆったりとした気分でワインとお正月料理の取り合わせを楽しんでみてはいかがでしょうか。