今年の収穫も無事終えることが出来ました
9月から続いたワインの仕込み作業も10月中でその殆どが終わり、連日ぶどうが運び込まれ破砕機や圧搾機がうなりをあげていたワイナリーの中も片づけられて静けさを取り戻しています。10月4、5日にはマールの蒸留を例年通り行い、10日から3日間程甲州種の収穫に入りました。16日にはカベルネソービニオンを収穫し、全てのぶどうの収穫を終えることが出来ました。
今年は8月以降記録的な高温と降水量で、熱帯のような天候が続きました。9月の甲府の降水量は平年の3倍、500mm程だったようです。 ” 多い ” を通り越して ” 異常 ” というべき状況でした。病害虫の発生や高温による色付き不良など、全ての品種というわけではありませんが色々な困難があったのは事実です。ここ3年程雨の多い年が続き、病気が発生しやすくなっているようにも思えます。ぶどう栽培にとって完璧な条件などというものはあり得ませんので、困難は乗り越え、問題は解決していかなくてはなりません。もし100%満足できるぶどうやワインが造り出せたとしたら、それはとても幸運であるか、問題を見逃しているかどちらかでしょう。
今のところカベルネソービニオンの二次的な乳酸発酵(マロラクティック発酵)以外は全て発酵は終わっています。少しずつ室温が下がっていくワイナリーの中で静かに澱がタンクや樽の底に下がっている最中でしょう。今年も例年通り、甲州種の白ワインの新酒を今月末には発売する予定です。
新しいワインワゴン
機山ワインのゲストルームに新しくワインワゴンを置きました。これはデザイン家具工房木楽舎さんに制作を依頼していたものです。なんといっても目を引くのがワゴンに取り付けられた銅製の太い管でしょう。これはその昔機山ワインで醸造用アルコールを製造していた時に使っていた、アルコール蒸留機の蒸留塔の一部です。蒸留機本体はアルコール製造を止めた時点で処分されたようですが、一部だけ残されていた部分を装飾として生かしたものです。古い銅の質感と木の風合いがよく合い、しっとりとした温もりを感じさせてくれます。機山ワインにお越しの際は是非ご覧下さい。