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42December, 1999
新酒のリリース

今年も新酒を少しだけ発売し、12月を迎えました

日毎に朝の冷え込みが厳しく感じられるようなってきました。機山ワインでも例年通り、今年の甲州種から造ったキザンワイン白1999新酒(720mL 1200)を11月末から出荷を始めました。本数は少ないのですが、私達にとって一年を締めくくり、今年の収穫を振り返る年中行事になっています。また今年できたワインの清澄化やろ過など、来年以降の本格的な充填作業のためのテスト的な意味合いを持つ場合もあります。”新酒”という言葉には、何か新しいものにふれられるのではという期待を感じてしまいます。ワインは熟成させてから飲むものだという意見ももっともですが、出来立てのワインをちょっと飲んでみる、というのにもまた別の楽しみがあるのではないでしょうか。特に甲州種のワインはこれからの季節、各種鍋料理にも簡単に合わせることができます。ワインは奥が深いものですが、入り口も広いものです。気軽に楽しんでいただければ幸いです。

ぶどう園では落葉が始まっています

つい2ヶ月程前までは一面ぶどうがなっていたぶどう園も今はひっそりとした佇まいで、早い品種は葉がすっかり落ちています。ぶどうの紅葉は品種によって色合いが違いますので、色とりどりの葉が秋の陽に映えて時折はっとさせられることがあります。もうすでにたい肥などを入れ耕す施肥は終わり、年明けの剪定を待つのみとなりました。スーパーマーケットには一年中同じような野菜や果物が並び、なかなか季節を感じ取ることができませんが、どのような作物にしろ、それが育てられている畑にははっきりとした季節があるはずです。畑に囲まれた田園地帯に住んでいればともかく、都市部で生活している方には”畑の季節” を感じるのは難しいかもしれませんが、時には手にした農産物が育てられた畑の情景に思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。

ブランデーの蒸留を始めました

ワイナリーの中では11月末からブランデーの蒸留が始まっています。甲州種で造った蒸留用ワインをシャラント型蒸留機で蒸留し、オーク樽で熟成させます。一度に蒸留できる量はあまり多くないので、同じ作業を何度も繰り返すことになります。一旦始めると、次々に蒸留することで釜が冷めずに、効率よく作業を進めることができます。朝6時頃から火を入れ夕食前位までの間、火の様子を見たり、蒸留液をタンクに送り込んだり、少量の蒸留液を口に含んで異常がないか確認したりと、なかなか蒸留機から離れる時間がありません。しかし、蒸留中に漂う何ともいえない華やかな香りはとても魅力的なものです。蒸留中はそのほとんどが、単純な作業の繰り返しであったり、疲労との戦いであったりしますが、時折蒸留液の香りとともに感じる充実感によって支えられているといっても言い過ぎではないでしょう。