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40October, 1999
1999年の収穫すすむ

99年9月を振り返って

今年の9月はいつまでもだらだらと暑く、いったいいつになったら秋らしい天気になるのか、と感じていた方も多いことでしょう。なかなか衰えない大平洋高気圧のお蔭で、まさに残暑厳しい9月でした。上旬は降水量も少なく晴天が続きましたが、中下旬からは秋雨前線の影響と台風18号の影響で雨の日が多くなりました。直接ぶどうに被害をおよぼすような天候は、幸いありませんでしたが、一部晩腐病などの病気が多く発生した品種では、その対応に追われました。大雑把にいって”良い天気”だったのですが、朝晩冷え込んで、昼間はカラッと晴れる、という秋らしい天候パターンがなく、例年の8月下旬頃の天気をそのまま引きずっているような9月でした。

ワインの仕込みもだいぶ進みました

今年も9/9のシャルドネに始まり、以降ブラッククイーン、マスカットベリーAが続き、9/27にはメルローを収穫しました。その間にマールの仕込みと蒸溜を行い、10月早々には甲州種の収穫を始める予定で、10月中旬にはカベルネソービニオンの収穫を予定しています。今年のぶどうは、晴天が続いた割には糖度の上昇は平年より若干良い程度でしたが、赤品種の色付きもまずまずで、酸のバランスの良いものが多い様です。シャルドネは発酵が終了しましたが、メルローは発酵中、他の赤ワインはマロラクテック発酵中です。
次々と運び込まれるぶどうを破砕し、然るべきタンクにおさめていく。その間には果汁の分析や、その後の仕込みの段取りを決めていき、しかも販売や出荷は通常通り。とても自分の身体を思い遣る余裕はありません。しかしいくら疲れていても、そこはワイン屋の性というべきかこの時期だけは不思議とチカラが出るものです。夜布団にもぐり込んでも、次の日の仕事の段取りが、頭の中をくるくる回ります。心身共に辛い毎日ではありますが、逆にいえば最も充実している日々ともいえます。この時期にどんな仕事をするかで、私達の価値が決まるといっても過言ではありません。