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76October, 2002
やや過熟気味の収穫?

2002年の収穫始まりました。

月日の経つのは本当に早いものですね。今年もぶどうの収穫とワインの仕込みが始まりました。9月の天候も夏のような蒸し暑さと秋の涼しさが交互に訪れながら、次第に秋らしさを増していきました。9/5にはシャルドネを、9/15-18にブラッククイーン、そして9/25にはメルローを収穫しました。収穫日はほぼ昨年並みで糖度は平年よりやや高めでしたが酸度が低い品種もあり、やや過熟ぎみの感もあります。今年はぶどうの病害虫の発生は少なくぶどうは健全な状態で収穫されています。月末には前線や台風21号の影響で雨の日が続きましたが、10月中旬のカベルネソービニオンと甲州種の収穫まで気の抜けない日々が続きます。

赤ワインの発酵

赤ワインの発酵はぶどうの茎以外の部分、果汁と果皮、種も一緒に漬け込むような形で行われます。除茎破砕機で潰されたぶどうはそのまま発酵タンクへと送られます。発酵が始まると炭酸ガスが発生して、タンク中の果皮が押し上げら果汁の少ない果皮の層が形作られます。これを「果帽、キャップ」などと呼びます。ぶどうの色素やワインの味わいに関わる様々な成分は果皮に多く含まれていますので、タンクの上部に押し上げられた果皮を果汁と良く接触させる必要があります。そのために小さな板きれが付いた棒(櫂棒)で果帽を突き崩したり、タンクの下部から液を抜きポンプでタンク上部に送り果帽の上から果汁をかけたり(ポンピング、シャワーリング)します。大型の発酵タンクではこのような操作はとても大変ですので、横型の発酵タンクでちょうどコンクリートミキサー車のような原理で中身を撹拌できるタンクもあります。赤ワインの発酵中はアルコール度の分析やテースティングによってこのような操作の頻度を調整して目指すワインの質に近づけていきます。造り手の技量(好み?)が最も問われるところでもあります。

発酵タンクの下部のバルブから発酵中の果汁を取り出し、ポンプでタンク上部に送ります。