Topics

5November, 1996
白ワインの仕込み

今月のぶどう園

10月は甲州種の収穫。今年も例年通り10月中旬に無事収穫することができました。 糖度も充分あり、また酸もほどほどにあってとても良いぶどうを収穫することができました。
というわけでぶどう園からぶどうはなくなってしまいました。残された葉は黄色や赤に紅葉してきました。品種によって色が違うので鮮やかなコントラストがみられ、ぶどう園は夏とは違った表情をみせてくれます。 一枚だけですが、赤く紅葉するベリーアリカントAの葉をお見せします。

今月のお仕事

• 白ワインの仕込み
10月の仕事。それは白ワインの仕込みです。機山ワインの白ワインの原料、甲州は9月中旬が収穫時期。なにしろこの時期に全神経と全体力を集中させるのです。ここで仕込みのある日の様子を再現してみましょう・・・

◦ a.m.6:00 目が覚める。仕込の間は寝付きも良いのですが目覚めも良いのです。何しろ天気から機械の様子から何から何まで気になってつい目が覚めてしまうのです。


◦ a.m.7:15  朝食を済ませて仕事開始。新聞は天気欄しか見ません。ホースを引き回したり、前の日に洗っておいた機械を組み立てたり、軽く機械をまわしてチェックしたり。


◦ a.m.8:00 収穫を手伝ってくれる方が軽トラで集結します。もぎ箱を積んでぶどう園へ。この間に前の日までに果汁でいっぱいになったタンクに酵母を加えたり温度をチェックしたりします。ワインの注文はいつも通り受け付けるので荷造りしたりもします。


◦ a.m.10:35 軽トラがぶどうを積んで帰ってきます。機山ワインの圧搾機バスランは一度にだいたい軽トラ2台分のぶどうを処理することができます(小さいもんです)。ぶどうを破砕機に放りこんで圧搾機をつぶされたぶどうでいっぱいにします。果汁がどんどん流れだし、ポンプでタンクへ送り込みます。分析用の果汁をちょっと採って、糖度や酸度を測ります。


◦ a.m.11.45 昼食前までに収穫したぶどうをもう一台の圧搾機へ。一時的に2台の圧搾機を運転することになります。機械の様子を気にしながら分析や果汁の量などをチェック。わずかな時間を見計らって昼食。食べるだけでほかのことはなにもせずに工場へ。


◦ p.m.12:45 一台目の圧搾が終了。搾りカスを機械から取り出します。これが結構大変なのです。カスは軽トラに積んでぶどう園に捨てます。もちろん肥料として。


◦ p.m.1:00 午後の収穫のために軽トラ部隊がぶどう園へ出かけていきます。


◦ p.m.1:20 二台目の圧搾が終了。カスを出して圧搾機をスタンバイさせます。この頃になるとだんだん床にぶどうのカスが散乱するようになるのでささっと掃除をします。これをさぼるとそこらじゅうが修羅場と化します。


◦ p.m. 3:00 午後のぶどうが到着。破砕を済ませると午後の休憩。お茶を飲みながら世間話・・・を横目で見ながら圧搾機をまわしたり分析をしたり。でもたとえ短い時間でも休憩をとることが大切。先は長いのですから。


◦ p.m. 4:30 今日最後のぶどうが運び込まれてこれを破砕圧搾。お手伝いの皆さん(といっても3人ですが)きょうもご苦労様!! という間もなくさっきまわした圧搾が終わるのでカス出し。ここで終わりと思いきや、近所の農家から運び込まれたぶどうも今日処理しなくては、ということでもう一台圧搾するハメに。


◦ p.m.5:00  さあこれからが大変。圧搾機を運転している間に破砕機などを洗います。あたりはだんだん暗くなるのですがここが大切なところなのです。


◦ p.m.6:15 圧搾が終わったところでカスをだして圧搾機を洗います。まだもう一台の圧搾機がとなりでうなっています。


◦ p.m.6:45 最後の圧搾がやっと終わりました。ポンプやホース、そして圧搾機を次から次へと洗っていきます。


◦ p.m.7:45 機械を洗い終わったところで、床もキレイにします。やっと終わりが見えてきました。


◦ p.m.8:00 分析の残りを片付けたり、今日搾った果汁の量をチェックしたりして、今日の仕事を振り返って整理しておきます。タンクの見当も付けておかないと、途中でタンクがいっぱいになって慌てることになります。


◦ p.m.8:20 本日の仕事は終了。洗い物のお陰でカラダが濡れているので先にフロに入ります。ゆっくり入っていたいけどおなかもすいている、というジレンマにおそわれます。


◦ p.m.8:45 ごはん・・・。ワインも飲みながら、ですが優雅なものではなく、今日の反省や明日の段取りなどでなんとなくアタマは緊張しています。


◦ p.m. 9:30 他になにもしません。とにかく寝ます。



こうした日々も何日か続くわけです。

今月のひとりごと

ひたすらぶどうを収穫する、破砕する、圧搾する。でようやく終わりました。あーやっと終わったという達成感。でも最後の搾りカスをぶどう園に捨てに行ったときに、実がなくなったぶどう棚をみて、ふっと寂しさを覚えます。ついこの前までたくさん実っていたのに・・・。これが来年への活力かな!? しかしとりあえず身もココロもぼろぼろです。仕込が終わったところで風邪を引く。これは恒例行事です。本当は仕込の間から引いているんだけど気力で持ちこたえているんでしょうね。終わったといっても終わっていないんですよね。タンクでは発酵の最中だから気は抜けないし、片づけもいろいろとある。ワインになっていくのは実はこれからなんですね。カラダはしんどいのですが、この時期の工場の中は発酵中のタンクから本当に清冽な香りが充満します。これはたまりませんよ。おもわずにやっとしてしまいます。