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15September, 1997
収穫始まる

今月のぶどう園

97年9月4日撮影の収穫直前のぶどうの様子です。

シャルドネ
棚栽培のシャルドネは一足先に9月4日に収穫しました。こちらのレインカットのぶどうはやや棚栽培より遅れいているようです。こちらは試験的な栽培で収穫量もわずかなものなのでもう少し収穫を先に延ばすことにしました。

メルロー
色付きも早く順調に熟してきました。あと少しで収穫というところです。こちらは棚栽培のものと同時に収穫できそうです。房の”肩”の部分を鳥に攻撃されてしまいました。来年は対策が必要になりそうです。

カベルネソービニオン
若干遅れ気味だったのですが、ここのところの晴天続きでだいぶ進んできました。収穫は来月に入ってからです。これからの天気が重要になってきます。

今月のお仕事

• 収穫を決断する

ちょっと大げさですが、いつぶどうを収穫するかを決めるのは結構複雑なものです。ぶどうを収穫してしまえばまた来年まで待たなくてはいけないのですから….。

1. ぶどうをよく観察
ぶどう園に足繁く通ってよくぶどうを観察します。収穫直前はぶどうが病気に対して一番デリケートになっている時期なので注意します。色付き具合や粒の状態などを確認しながら、分析のためのサンプルを集めます。


2. 果汁を分析
集めてきたぶどうを潰して(といっても一握りですが)果汁をとり、簡単に分析します。まず糖度。屈折計か比重計で測ります。酸の量は滴定して調べます。ぶどうは熟してくると糖度が増えて酸が減ります。収穫する糖度や酸度は品種によってまちまちですが、いままでのデータなどを参考にしながらあとどのくらいで収穫できそうかを把握していきます。


3. 天気予報をチェック
もう収穫できそうだ、ということになれば具体的にいつ収穫するかを決めます。もちろん雨の日には収穫できませんので天気が重要になります。あと一歩だからもう少し待って…と思ったら雨続きで病気が発生してしまった!!なんていうこともあり得るので注意が必要です。タイミングよく収穫するにはいろいろ気を使うことが多いのですが、”運”が必要なのも事実だと思います。

今月のひとりごと

いよいよ仕込がやってきました。今年はエルニーニョのお陰で異常気象の前評判がそれこそ”異常”に高かったのですが、大きな問題もなくやっとここまで来ました。とは言ってもここのところ夕立が多くてやや不安定なのが気がかりです。8/25には小指先程の雹が降りました。葉には穴があいたようですが実に関しては甲州種で若干キズがみられましたがその他にはほとんど被害はなくホッとしました。でも雹が落ちてくる空を見上げているときの心境は、何とも言えませんよ。顔がこわばるというか寿命が縮まるというか背筋がゾッとするというか…..。どんな作物でも同じでしょうけど無事収穫できるよろこびというのはこういうことがあるからなおさら大きくなるんだと思いますよ。