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14August, 1997
仕込みの準備

今月のぶどう園

いよいよラストスパート体勢になってきました。充実してきたぶどうはこれから収穫までの間、堅かった実が次第に柔らかくなり色づいて来ます。しかしそれは、ぶどうがデリケートになることを意味します。

97年7月31日撮影

今月のお仕事

• 仕込みの計画を練る

いよいよせまってきたワインの仕込みの計画を具体化しなければならない季節になりました。なにしろこれに1年分のエネルギーをつぎ込むわけですから手抜かりは許されません!!

1. どんなタイプのワインをどのくらい造るかを決める
もっとも重要でもっとも悩ましいところです。どの品種がどれくらい収穫できるか? あるいは近所の農家からどれくらい買い付けることができるか? 収穫量は厳密に予測できませんから、だいたいこんなもんかなーという感じでつかんでいきます。今年は試験的に植えた品種がちょっと収穫できそうだぞ、ということになれば去年までとは違うパターンを考えておかなくてはいけません。そして、どんなタイプのワインを目指すか?? それを決めるには去年少しづつ試験的に仕込んでおいたワインをティースティングして、その成果を確かめる必要があります。あとはひたすら悩み抜きます。


2. 必要な資材などを手配する
仕込むべきワインが決まったら、それに必要なものを注文します。まずは酵母。ワインのタイプによって菌株を選んだりもします。おもしろそうな酵母があればそれも少し…。マロラクティック発酵のスターターも忘れずに。ちょっと大変なのがタルの調達。機山ワインのような零細ワイナリーでは使う本数も少なく業者との交渉も気を使います。なんとか希望通りのタルを仕込みまでに揃えられるように頑張ります。分析用の試薬や機具の補充をしておくのも大切。今年はこんなデーターもとってみようなんていう欲もでてきたりします。


3. 紙と鉛筆でシミュレーション
仕込みの最中はタンクもフル回転します。品種による収穫時期の違いや、発酵期間を考えながら、思い通りの段取りが可能かよく考えてみます。そうしないと、搾ったのに果汁を受けるタンクがない!!なんていうまぬけなことになってしまいます。そんなばかな!! と思うかもしれませんが、収穫量が見込みを超えるとありがちなことです。必ず予備も考えておくようにします。最小限の設備を使い回す零細ワイナリーの泣き所でもあります。


4. 機械(含人間)をチェック
破砕機や圧搾機を引っぱり出してチェックします。突然のトラブルはもっとも恐れるところなので、予備のパーツなどもできるだけあったほうが安心です。人間もトラブルがないように…当然ですが…。

今月のひとりごと

今年は台風の当たり年みたいですね。それになんとなく涼しい….。まだまだわかりませんが猛暑にはなりそうもない、というのは確かみたいですね。まっなるようにしかならないんだよな。早いところでは新酒用にもう未熟果で仕込んでいるところもあるみたいですが、機山ワインの仕込みもあと1か月余りで始まります。どんなぶどうになるかはまだわかりませんが、どんなことがあっても自分達のやりたいことができるようにいろいろ準備しなければならないことがあるんですね。ちょっと緊張してきたぞ…。