初期防除遅れベト病の大発生
今年も早くも6月。雨の季節になりました。関東甲信では6月5日に梅雨入りしたと発表されました。5月上旬は気温が高い日が続き、ぶどうの生育は例年になく早まりました。そんな中大型連休明けの9日から11日は梅雨の走りのような蒸し暑い雨が降りました。この雨の前に薬剤散布を行わなかった為、棚仕立ての圃場では一気にベト病が発生してしまい、その後の対応が不十分だったこともありシャルドネ、メルローの花穂や葉、甲州種の葉に壊滅的な被害を出してしまいました。甲州種は花穂へのベト病の発生は免れましたが葉の損傷の影響か、ホウ素欠乏の症状により開花せず全く収穫が見込めない状況になってしまいました。様々な事情があったものの初期防除の遅れという初歩的なミスを引き金に最悪の事態を招いていしまいました。また葉が健全であったメルローにもホウ素欠乏の症状で全く開花しなかった樹もあったことから、ベト病の防除方法に加えホウ素欠乏への対応も来年の大きな課題となりました。作業の適期を逃してしまうようなあり方も根本から変えて行かなくては、同じことを繰り返すことになりかねません。自責の念に苛まれ反省ばかりですが、初心に戻って栽培全般を見直し畑を立て直していく所存です。 ワイナリー裏手のレインカット仕立ての圃場は同じ防除でしたが健全に生育しています。自家農園からの収穫は激減してしまいますが、今、そして今後できることは全てやり通す覚悟で乗り切っていきたいと思います。
カベルネソーヴィニヨンは結実期を迎えています。(撮影:6月4日) レインカット圃場では葉の緑も次第に濃くなってきました。(撮影:6月4日)